好きが溢れたその印


好きが溢れたその印


 目が覚めたのは昼頃。
 黄色い光が差し込む見慣れた室内。
 モーターの低く唸る音が聞こえて、ここが七条さんの部屋だとわかる。
 どうやってここまで来たんだろう?と、思い出そうと記憶を辿るけれど効果はなかった。
 目の前に、隣からにゅっと腕が伸びてきて、抱き寄せられる。

「おはようございます。」

 額にキスが落とされた。

「七条さんっ!」

 慌てる俺をみて、七条さんが笑う。
 陽に透けた七条さんの髪がとても綺麗で、何気なく手を伸ばした。
 髪に指を絡めて弄ぶ。

 と、急に視界が変わった。

 びっくりして思わず瞑ってしまった目を開けると、俺は七条さんを見下ろしていた。
 重力に従って七条さんの唇に自分の唇をくっつけた。
 目を見開いて、七条さんが固まってる。
 七条さんのおでこと自分のおでこをくっつける。
 両手の親指で七条さんの目をなぞって、・・・・・・むにょっと伸ばした。

「・・・・変な顔。」

 でも、そんな七条さんが可愛い気がした。

「変な顔の僕は嫌いですか?」

「可愛くて大好きです。」

 眉根を下げて心配そうな顔をする七条さんのおでこから髪をかき上げて、昨日、七条さんがそうしてくれた様にキスの雨を降らせた。

「可愛い・・・・・ですか?」

「はい。」

 ちょっと不満気なその顔も、すごく可愛い。
 でも、これは俺だけの秘密。
 七条さんのこんなにも可愛い所は、俺だけが知っていればいい。

「七条さんだけ、特別です。」

 俺の言葉に、七条さんがピクリと反応する。

「僕だけ?」

 いつもは俺が見上げている瞳が、今日は俺を上目遣いに見上げている。

「はい。俺の目に可愛く映るのも、格好良く映るのも七条さんだけです。」

 ”大好きです”そう伝える代わりに、柔らかい頬に唇を落とす。

「・・・・・僕も。」

 にっこりと笑った七条さんの綺麗な顔に見惚れている内に、首に白く綺麗に筋肉のついた腕が絡められ引き寄せられたかと思うと、そのまま唇をちゅっと音を立てて吸われた。

「特別に映るのは君だけですよ。」

 その言葉が嬉しくて、この気持ちを七条さんに伝えたくて、見下ろした七条さんの首筋に唇をくっつけて、七条さんが俺の胸元にする様に少し強く吸った。

「誘っているんですか?」

「ちっ、違いますっ!!」

 ちゃんと否定したのに、俺の視界はまたくるりと変わって七条さんの下で唇を奪われていた。

「これはっ・・・・・俺の”好き・・の印”・・・です。」

 何度も何度も口付けながらも、俺はそっと伸ばした指先で、七条さんの首筋に付いた赤い痕に触れた。

「・・・・・覚悟は、いいですね。」

 せっかく着せてもらっていた七条さんのパジャマのボタンが次々に外されて、パジャマの変わりに七条さんの匂いに包まれた俺の身体には、隙間なく七条さんからの”好きの印”が付いた。











七啓万歳!月間パート4です。
5000hitoverの記念でフリーにしてありますssの翌朝の出来事です。
そう言えば・・・と続き考えていたものを思い出してUP致しました。
キスキスキスキス・・・・と考えて。
では次は何がいいかしら?と考えて浮かんだのがキスマークXXX。
それってどうかしら?なんてちょっとだけ頭を横切ったのですが、気にしない×2。
七条さんと啓太君のラヴラヴっぷりなんて、今に始まった事じゃないですよね?ね?
もう二人の甘々な雰囲気を破れる人なんて、きっと存在しないに違いありませんです!
ではでは。
甘い二人を楽しんで頂けたら幸いですvv
引き続き七啓万歳!月間をお楽しみくださいませvvv

葵葉奈でした。
04.09.20